原木を使いきり、木の力を引き出す
オロチLVL

LVLとは

LVLは”Laminated Veneer Lumber”の略で、日本語では単板積層材と呼ばれています。大根の桂剥きのようにして丸太を薄く剥いて作った厚さ4mm 程度の単板を重ねて張り合わせてつくります。その際、薄い単板を何枚も貼り合わす為に、欠点が分散され、ばらつきが少なくなります。

LVL作り方

製品特長

オロチ・スギ / ヒノキ LVL

オロチ・スギ/ ヒノキLVL は、近隣地域の国産スギ/ ヒノキ材を利用して製造しております。
桂剥きされた単板一つ一つを厳密な基準をもとに選別して製造されるLVL は、強度性能が工学的に保証された木質建材です。

オロチスギLVL

スギLVL

オロチが品質の安定化に成功した国産スギ構造用LVL。日南町産材を中心に製造を行っています。

オロチヒノキLVL

ヒノキLVL

地元産及び周辺地域の国産ヒノキ材を使用したオロチ・ヒノキ 構造用LVL。

LVL は重ねるほどにバラつきが少なくなるエンジニアードウッドです

LVLと集成材・製材を比較すると、曲げ強度・ヤング係数など、積層数が多いほど分散が小さく強度性能が高くなり、バラツキが少ない、信頼性の高い製品が得られます

厳格なJAS 規格LVL 認定工場

オロチは農林水産省の認めたJAS( 日本農林規格)認証工場です。 厳しく検査し造られ、格付された製品は、第三者検査機関での定期的な検査を受けるため、安心のできる優れた信頼性のある製品です。

自由な寸法設定により、
作業効率アップ! コスト/ゴミはダウン!

作業効率の向上 完全乾燥材なので木材の「やせ」はほとんど無く、反りや狂いに強い
工期の短縮 要望に応じた自由なサイズでの製造が可能、作業効率も向上・工期の短縮が実現
コストダウン 寸法指定の発注が出来るため、施工でのムダな材料費を節約
ゴミの発生の減少 加工が少なく現場でのゴミが減少

最大150mm × 450mm の中断面
9m の長尺サイズで快適な大空間を実現

オロチ・スギ/ヒノキLVL は通し柱はもちろん、トラス構造、ラーメン構造の梁など、大空間を支える構造材として使用できます。

オロチLVL・受注サイズ

防腐防蟻材注入LVL( 日南大建)

オロチに併設された日南大建株式会社( 株式会社オロチ、大建工業株式会社、日南町森林組合、越井木材工業株式の4 社合弁会社)では、防腐防蟻注入LVLを製造しております。単板から防腐防蟻剤処理施すことで、どこの断面にも薬剤が浸潤しており、プレカット面を塗装する必要はありません。本製品はAQ 認証を受けた品質の高い商品です。

日本の風土で生まれ、四季を知っている国産スギ/ ヒノキ材

「オロチ・スギ/ヒノキLVL」は、加工が難しいとされてきた国産スギ/ヒノキ材にこだわり、スギ/ヒノキの持つ自然の力と、LVL の性質・強さを融合させた製品です。

しっかりした乾燥で安心した品質の製品をご提供します。

単板の厚さが4mm と薄い、乾燥単板を使用しているので、出来上がったLVL は軸材の中で、最も内部まで乾燥された製品です。施工後の狂いや割れ、ガタなどの問題が軽減されます。

安心のF☆☆☆☆製品
体にやさしい
安心の住まいづくり

「オロチ・スギ/ヒノキLVL」の接着にはフェノール樹脂を使用。製造過程において、一層ごとに丁寧に加熱圧締するため、製品から発散されるホルムアルデヒドが少ない「F☆☆☆☆」の安全・安心な材料です。

オロチL V L の製品情報

オロチ・スギ/ ヒノキLVL

オロチLVL と JAS 規格

JAS規格で定められた製品を「株式会社オロチ」の基準として製造を行っています。

構造用 LVLの基準強度

オロチ構造用単板積層材(LVL) の圧縮、引張り曲げ、せん断、めり込みの基準強度について

釘引抜抵抗について

スギ無垢乾燥製材(KD材)と当社スギLVLの釘引抜抵抗値の一例を示します。

めり込み性能について

オロチのスギLVL とヒノキLVL の縦使い方向のめり込み性能数値の一例を示します。

曲げヤング係数と曲げ強さについて

ヒノキ芯持ち垂木とヒノキLVL(曲げヤング係数の区分:100E)垂木の試験比較の一例を示します。

製品梱包時の入数( 例)

オロチ・スギ/ ヒノキLVL の製品内容別の梱包入数の目安数量例です。

株式会社オロチは、一般社団法人 全国LVL 協会の会員
企業です。その他LVL 設計データは全国LVL 協会のサ
イトでもご確認いただけます。

L V L についてのQ&A

LVLについてよくある質問

  • 構造用LVLに使用されている接着剤は木材用接着剤の中でも最も耐久性に優れた接着剤を使用しています。また、接着工程は製造過程の中で最も厳しく管理されております。 一度完全に接着されたものは剥がそうと思っても剥がれるものではありません。
    造作用LVLの場合は、濡れる場所での使用を想定しておりませんので、「濡れる・乾く」を繰り返すとはがれる可能性があります。

構造用LVLに使われている接着剤はフェノール樹脂接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤といいます。
これらは木材用接着剤の中でも最も耐水性、耐久性に優れた接着剤です。フェノール樹脂接着剤は熱を加えることで硬化するタイプの接着剤です。ホルムアルデヒドが樹脂の合成に使用されていますが、完全に硬化した後ではホルムアルデヒドが分解されて放出されることはありません。レゾルシノール樹脂接着剤は常温で硬化するタイプの接着剤で、主に二次接着(練り合わせ)に使用され、性能はフェノール樹脂と同等です。水性高分子-イソシアネート系接着剤は非ホルムアルデヒド系の接着剤ですが、耐熱性が劣るため高度な耐火・耐熱性能が求められない使用環境Cでのみ使用できます。
造作用LVLの場合は、合板の2類(タイプ2)相当以上の耐水性があればよいので、上記接着剤以外にもメラミン樹脂、ユリア樹脂などが用いられています。

耐用年数は基本的に使用環境により異なり、常時湿った場所や屋外に暴露される環境など劣悪な環境下では木部が先に劣化してしまいます。常時乾いた環境であれば米国では100年間経過した建物の実績があります。構造用LVLに使われている接着剤は耐久性に優れており、耐久性の促進劣化試験では10年以上経過した物でも接着力の低下は極僅かになっています。

構造用LVLに使われている樹種は主に針葉樹が使用されています。使用量の多いものではダフリカカラマツ(ロシア産)、ラジアータパイン、国産カラマツ、スギなどです。構造用LVLは曲げヤング係数区分になっており、樹種による区分はありません。これは強度さえしっかり保てればどのような樹種を使用しても良いことを意味しています。
造作用LVLの場合は、針葉樹、広葉樹問わずさまざまな樹種が使われています。多いものではポプラ、ラワンがあります。

「たわみにくさ」の指標で、弾性率ともいって「荷重を掛けたときにどのくらいたわむのか」を表しています。ヤング係数が大きいほどたわみにくい材ということになります。

住宅等の構造物の耐力部材として用いられるものを構造用LVLといいます。それ以外の部分で使用されるものを造作用といいます。構造用は強度に関する規定 が多い一方、材面の規定が1種類しかなく、また造作用は材面の等級が3等級に区分されているのに対し、強度に関する規定がありません。

構造用LVL一般製材に比べかなり強くなっています。例えばベイマツ製材(1等)にくらべ構造用LVLの140E-525F(特級)では約1.7倍の強度 を持っています。これは105×300×3650の床梁1本にベイマツ製材(1等)では約3.2tまで耐えられるのに対し、同じ寸法の構造用LVLの 140E-525F(特級)では5.3tの荷重に耐えられることを意味しています。

許容応力度とは、簡単に言えば、「これくらいの力まで持ちこたえます」という数値です。この値は計算上の話であり、実際にはもっと持ちこたえられます。構造用LVLでは、平成13年国土交通省告示第1024号により基準強度が定められ、この強度をもとに長期・短期の許容応力度を計算します。

LVL(構造用、造作用とも)は含水率が10%前後と完全に乾燥しています。そのため、使用しているうちに乾燥してやせてくることはありません。ただし、集成材、KD材と同様雨などで濡れた場合にはふくれてくる傾向にあります。保管される場合は水に濡れない屋根のある場所に保管してください。

生物材料である木材の大きな特徴の一つに水分の吸・放湿性があり、これは生物材料がその組織内に水分を保有していることを意味しています。この水分の保有量を含水率といいます。木材では水分が放湿されると寸法が減少する(やせる)傾向にあります。

AQ” とは “Approved Quality” の略称で、新しい木質建材等について品質性能等を客観的に評価・認証し、消費者に安全性及び居住性の優れた製品の提供を目的として(財)日本住宅・木材技術センターが認証しています。認証製品にはAQマークを表示しています。
JASは広く普及している製品を規格化しているのに対し、AQは新技術の開発による新製品について機動的に認証品目に加えると共に、需要者の要求性能の変化に応じた品質性能基準の見直しも行っています。

燃えたときにダイオキシン等特に有害となる物質は発生しません。

揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)と言います。すでにJASなどで厳しく規制されているホルムアルデヒドをはじめ、業界で自主規制されているトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの4物質、建築基準法で使用が禁止された防蟻剤のクロルピリホスなどがこれに該当します。

LVLの寸法精度はJAS規格に基づいています。乾燥材ですので、水濡れによる膨張を除けば安定した寸法精度を持っています。

製材、集成材よりも強く効きます。ただし、繊維方向がそろっているため、あまり端部近くに打つと割れることがありますのでご注意ください。

他の木質材料と同様に手刻み加工ができます。

専用の金物というものはなく、一般に広く流通する金物工法に対応ができます。

ツーバイフォー工法(枠組壁工法)につきましては、住宅金融普及協会発行の「枠組壁工法の構造設計―スパン表―」というスパン表がございます。

断熱性能を計算する上で必要な熱伝導率は、
・カラマツLVL (密度 580 kg/m3) 熱伝導率λ  0.132 (W/mK)
・スギLVL (密度 497 kg/m3)   熱伝導率λ  0.117 (W/mK)
(熱伝導率はJIS A 1412-2 の評価方法に準拠して測定 )
次世代省エネルギー基準 (Ⅳ地域)において、木造住宅 (外張断熱工法又は内張断熱工法)の壁の断熱材に求められる熱抵抗値(m2・K/W)は、1.7(m2・K/W)で、カラマツで、225㎜、スギで199㎜以上厚みを確保していれば、LVLのみで基準を満たすことができます。

結露しやすさの目安となる透湿抵抗の測定値は以下の通りです。
・カラマツLVL 透湿抵抗 Zp 0.0269 ((m2・S・Pa)/ng)
・スギLVL 透湿抵抗 Zp 0.0154 ((m2・S・Pa)/ng)
・ラジアータパインLVL透湿抵抗 Zp 0.0181 ((m2・S・Pa)/ng)
(透湿抵抗は JIS A 1324-1995 の評価方法に準拠して測定 ) 

外壁にあらわしで使う際にはまだ耐候性に問題があります。庇を深くする、地面からの跳ね返りをおさえる等の工夫が考えられますが、今後より耐候性を高めるために、防水や塗料の開発が必要となります。

FRP防水、ポリカーボネートなどで保護、ガラス繊維塗料などが考えられますが、経年劣化の問題はあるため今後耐候性のある塗料の開発が待たれます。

LVLを室温20度相対湿度40%での平衡状態から、室温20度相対湿度90%に移行させた寸法安定性能検証実験では、重量変化率は5%、幅変化率は2%、長さ変化率は0.1%、厚さ変化率は1.5%程度となっており、カラマツ合板と同程度の値となっています。
東京の場合、気温は0~40℃、湿度は40~80%程度年間変動すると考えると、上記の値程度の季節変動が生じることになります。
設計時に、寸法変化をあらかじめ推測し、寸法変化に追従できる部材の納まりにしておく必要があります。

LVLt=100㎜厚壁の遮音等級はRr29です。 (JIS A 1419の評価方法により測定 )
遮音性について共同住宅の界壁で使用する際には、まだ十分な性能があるとは言えません。遮音性能が求められる箇所では、材料を厚くして使用するか、吸音材等と併用して使用してください。
遮音実験LVLt=100㎜厚壁を用いて3種の試験体で遮音性能実験を行いました。
試験体1:LVLt=100㎜
試験体2:LVLt=100㎜+目地ガムテープ張り
試験体3:LVLt=100㎜+片面石膏ボード2重張り
試験を行った結果、LVLt=100㎜の壁の遮音等級はRr29でした。目地部にガムテープを張った仕様もRr29とあまり性能が変わりませんでした。これにより、目地部の影響はさほど受けないという結果が得られました。
一方、片面に15㎜、21㎜の石膏ボードを2重に張った仕様はRr48という結果となり、遮音性が高い性能結果が見られました。石膏ボードの重量分と、LVLとボードにクリアランスを確保して設置したために十分な性能が得られたといえます。音は材料の重さ (密度)によって決まるため、いかに重量をかせげるかがポイントになります。しかし、LVL100㎜の上に石膏ボード15㎜と21㎜張りでは間仕切りとしては少し過剰な性能と厚みといえなくもないので、今後検討が必要です。
LVLだけではまだ十分な遮音性能が得られていないので、今後も性能を上げる方法を検討する必要があります。

オロチ・LVL についてお気軽にご相談ください。

b_tel-420x100_3
お問い合わせ