森林を守るためには森林整備が必要となっています。
日本は国土面積の65%が森林。そのうち約40% が人工林です。森林は、これまで木材生産などの林業活動を通じて守り育てられてきました。しかし、林業従事者の減少と高齢化、また近年の外国産木材の輸入増加。さらに住宅も木材から他の材料に変わるなど、木材価格の下落による林業の採算性の悪化に加え、経営コストの上昇により、林業活動が全般にわたって停滞しています。間伐などの手入れが適正に行われていない森林が増加してきていることから、安定した木材価格を基本とする安定供給体制の形成(素材生産単位の拡大)と、これに連動した森林整備の充実が今、求められているのです。
オロチ発・森林サイクルにより、
森を次の世代につなげる。
オロチ発森林サイクルでは、森林や生態系保全を含めた「環境サイクル」、地域材の活用と地元雇用をつくる「経済サイクル」を回すことで、持続可能な国産森林活用モデルを構築しています。
私たちは、これまで港の近くにつくることが当たり前であった木材工場を山の中につくり、国内で初めて杉構造用LVL の量産化を行うなど、開業以来様々なチャレンジを続けてまいりました。オロチ発の森林サイクルにより、地域と環境に貢献しながら日本の新しい森林活用モデルを構築すべく、新しいチャレンジを続けてまいります。
森の工場でつくる
オロチの工場は、鳥取県日南町の山の中の木材市場、森林組合、チップ工場が並ぶ木材団地の中にあります。森林組合と連携し、原木が生産される森林に近い場所で地域国産材LVL を製造することで環境負荷を最小限に抑えた環境に優しい製品づくりを行っており、オロチからの安定した原木発注が、森林関係者の計画的な森林保全や雇用につがる継続的な森林サイクルをつくっています。
森を使いきるオロチの国産材LVL
木の持つ力を引き出した付加価値のある製品を市場へ
原木歩留まりの高いLVL製造
LVL は大小さまざまな原木を桂剥きし、薄い短板を重ねて製造されていす。ロータリーレースと呼ばれる桂剥き装置により、削りきった後に残るの原木は僅かφ32mm の細い棒のみ。製材、集成材に比べて資源( 原木) を使い切ることができます。
廃棄されてきた資源も使い切る
オロチでは、森の伐採時に出るこれまで使い道なかった小径木や曲がった原木も LVL 製造に利用しています。森林組合と連携し小径木は最小約 18cm から利用しており、これまで森に廃棄されてきた原木を買い取ることで、森に利益を還元しています。
木質バイオマスボイラーの活用
LVL 製造機械へ蒸気を供給する過程で使われる木質ボイラーは、いっさい石油などの化石燃料を使用しません。主に、工場から出る木屑などを燃やしてエネルギーに変え工場内で使用することにより、年間 6,100t もの CO2 の削減を目標にしています。
LVL が生み出す温もりのある木質建築
オロチLVL は全国の建築で利用されています
森をつかう
オロチLVL は、地元鳥取のみならず、全国の住宅や公共施設で活用されており、国産材利用及び温もりのある建築の木質化に貢献しています。木がふんだんに使われた木造建築の温もりのある空間は、豊かな生活を育むと共に、CO2 の固定化、カーボンニュートラルに貢献しています。
POINT!
- 豊かな社会の実現
- 国産材活用の推進
- 木の温もりのある豊かな住空間の想像
- 木材利用によるCO2 の固定化、カーボンニュートラル
地元日南町の持続可能な森づくりを
森林組合と連携しながらサポートしています。
森をきる・そだてる
オロチでは地元の森林組合や森林所有者と連携し、主に地域で取れた国産スギ・ヒノキ材の原木を利用してLVLを製造しております。オロチからの年間50,000立米を超える安定した原木発注が、森林組合の計画的な森林保全計画をサポートすると共に、森林関係者の雇用を産んでいます。
POINT!
- 環境・生態系への貢献
- FSC 認証林、地元材の活用
- 計画に基づいた伐採と植林
- 豊かな森林によるCO2 吸収
豊かな森を次の世代につなぐために
森をつたえる
オロチでは地元の小中高生徒向けの工場見学を定期的に行っており、森林サイクルや国産材利用の大切さ、LVL 生産のダイナミックな現場の様子を子供たちに積極的に伝えています。また、取引先の担当者にも日南町を訪れていただき、森林の伐採現場や製造のこだわりを伝える活動も行っております。
POINT!
- 地域の雇用の創出
- 地元小中高生への定期的な工場見学の実施
- 取引先の森林工場見学ツアーの開催
中国山地・日南の山を再び動かしたい。
森林組合と連携しながら森を伐り育てる。森林資源を余すことなく活用し付加価値の高いLVL に加工し、全国の建築で利用していただく。これにより地域の雇用を生み出す。環境と経済のサイクルにより、持続可能な製品・森づくりを目指してまいります。