釘引抜抵抗について
釘を用いた木材同士あるいは木材と他の材料との接合は木造建築の最も重要な技術の1つです。特に、軸組構法と異なり継手、仕口などの接合方法を持たない枠組壁工法、いわゆる2×4(ツーバイフォー)工法では、釘を用いた部材同士の接合がより大きなウェイトを占めます。したがって、LVLを2×4工法などで使用する際、釘引抜抵抗値を知ることが非常に重要となります。
次の表と図にスギ無垢乾燥製材(KD材)と当社スギLVLの釘引抜抵抗値を示します。図では●と■のマークが引抜抵抗の平均値を、マークを貫く縦線の上端、下端がそれぞれ最大値と最小値を表しています。
これらの図表からわかるとおり、板目(LVLでは板面)、柾目(LVLでは積層面)とも、この試験では、LVLがKD材の倍以上の引抜抵抗値を示しています。
このように、当社LVLは無垢製材と比べても遜色のない釘引抜抵抗値を示し、2×4(ツーバイフォー)工法などに用いるにも適した木質材料であるといえます。
参考
日本建築学会、「木質構造設計規準・同解説―許容応力度・許容耐力設計法」、第4版、2006
■釘引抜抵抗試験
ースギ無垢KD材と当社スギLVLの比較ー
釘の種類 | 胴部径 | 頭部径 | 長さ | 材質 |
---|---|---|---|---|
CN50ツーバイフォー用太め鉄丸釘 緑塗装 JIS A5508 | 2.87mm | 6.76mm | 50.8mm | 鉄 |
試験方法:木質構造設計基準 引抜試験方法を参照
項目 | 引抜抵抗値 | 寸法(mm) | 先穴の有無 | 打ち込み長さ(mm) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均(N/mm) |
最大(N/mm) | 最小(N/mm) | 標準偏差 | 変動係数 | 厚さ | 幅 | 長さ | |||
スギ無垢・KD材 板目 | 15.8 | 27.1 | 10.3 | 3.4 | 0.2 | 45 | 90 | 150 | 無し | 35 |
スギ無垢・KD材 柾目 | 14.4 | 23.4 | 9.4 | 3.3 | 0.2 | 45 | 90 | 150 | 無し | 35 |
スギLVL 板目 | 38.3 | 47.6 | 28.8 | 4.8 | 0.1 | 45 | 90 | 150 | 無し | 35 |
スギLVL 柾目(積層面) | 32.7 | 40.0 | 22.3 | 4.9 | 0.1 | 45 | 90 | 150 | 無し | 35 |
2010年 当社データ
■参考グラフ
注) 本試験結果は当社における試験データであり、製品すべての性能を保証するものではありません。