株式会社名南製作所 青雲寮 別棟
設計:参(ジン)建築研究室
プレカット:ミヨシ産業
施工:建築じん ゴトウ
完成:平成25年3月11日
構造:木造 ガルバリウム鋼板葺 2階建て
1階:86.50㎡ 2階:84.50㎡
LVL使用量:42㎥
感想
LVLを使用した理由は国産材LVLの活用のため。
これからLVLを日本全国に自信をもって広めていくためには、実際に使用してみるのが一番である。当社は会社敷地内に「杉実験棟」としてLVLで建てた平屋があります。そこには来客されたお客様や、学生を案内していますが、特に学生達には評判が良い。節も以前は無節信仰が強くありましたが、最近は木材らしいとかえって評判が良いし、気にならないと受け入れられています。時代の流れで、針葉樹でも面材として十分に価値が有るように思います。ますますLVLの柱、梁を、自信を持って見せる時代になったと思っています。もちろん壁材にも良いです。しかし、寸法加工上、接着層が表面に出ることがあり、これは「汚い」部に入ると思います。なんとか解決したい問題点です。
実際の施工は素人目から見て、簡単そうでした。プレカットも正確で、プレカット後の狂いも無く、現地では順調に組み立てていくだけでした。
一般住宅でも少し大きめの住宅に実力を発揮すると思います。
株式会社名南製作所 総務ご担当 河合和哉様
名南製作所青雲寮新寮は株式会社オロチ様製のスギLVLによって建てられた木造住宅で、H25年秋に着工しH26年春に完工しました。1部屋6畳の2階建、計6部屋の構造になっています。壁紙は一切使用せず、LVLの表面が見える様になっていて木目だけでなく、積層面が楽しめます。2階の部屋は天井が吹き抜けになっており、開放感あふれる造りで収納スペースも充分です。
私は1年目を旧寮で過ごし、2年目から新寮で生活しています。新寮は旧寮に比べて冬が暖かく感じます。旧寮は鉄筋コンクリートで造られており、寒さを強く感じますが、LVLでできた新寮は木材による断熱性のおかげで寒くありません。また、部屋間の音漏れが少なく快適です。木材の持つ調湿性や熱伝導率の低さは損なわれずに構造用としての力学的強度も果たしています。
近年、環境問題が騒がれる中、曲がり原木や短い原木を構造用部材として使用することができるLVLは環境に優しい製法であると言えます。今後も木材本来の良さと木材資源の有効利用を持ち合わせた製法であるLVLが発展していくことを願っています。