島根県出雲大社参道の観光交流施設「神門通りおもてなしステーション」
「神門通りおもてなしステーション」は出雲大社の参道• 神門通りの交差点に面した古い店舗併用住宅を新しいデザインによって生まれ変わらせるプロジェクトです。インテリアの壁には島根県産の杉を使ったLVL を使用し、東側のLVL 壁面に凹凸を設け、それをたよりにしてチラシやはがき等をレイアウトすることができるようデザインしました。LVL の積層面は押しピンなども使用可能であることが施設使用者に好評です。
外観は神門通りの修景計画にのっとった伝統建築の姿に修景し、仕上げ材には焼き杉を用いることで、一階のガラス開口部とそこから見える明るいLVL の色彩とコントラストをつけています。
今回は法規制もゆるやかで小規模な施設であったためLVL の使用が容易でした。LVL の準不燃化によって、教育施設、展示施設、観光施設などより大規模な公共空間であっても使用可能になることは、大きな可能性です。今回のこの小さな公共施設はLVL の内装材としての可能性を示していると考えます。
このプロジェクトでも、地域材を使用できるという部分は意義深いものとして理解され、コストのきびしいプロジェクトではありましたが、コスト調整の議論の対象とはならなかったのは印象的でした。今回は不燃化の実現していないなかで使用可能であった実例ですが、準不燃化によって様々な公共空間にLVL が使用されることで、内装材としてのLVL、ひいては仕上げをかねた構造材としてのLVL の認知が高まることを期待しています。
プロデュース:City Switch Japan 基本設計:山代悟+ビルディングランドスケープ 実施設計・工事監理:江角アトリエ、環境整備計画 出雲市都市建設部設備建築住宅課 写真:古川誠、ビルディングランドスケープ
一般社団法人全国LVL協会 編、「LVL 準不燃材料開発研究ブック−準不燃材料・内装材編−」、2014、全国LVL協会ホームページ、より一部改変して転載