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曲げヤング係数と曲げ強さについて

 事務所、店舗、倉庫、学校など中層の木造建築を建設する際、構造計算により耐震性などを担保した設計を行う必要があります。このような中層木造建築の構造部材にはJAS規格等で曲げヤング係数、曲げ強度等を担保された構造部材を使用する必要があります。LVLはその製造工程の特徴から、ばらつきの少ない曲げ性能の構造部材を製造することができます。

 LVLの製造工程では、ロータリーレースによって丸太を桂剥きして得た単板の曲げヤング係数を、単板一枚ごとに製造ラインの中で測定しています。そして、得られた曲げヤング係数の値により単板を分類したのち、要求性能を満たすために定められた方法で必要枚数の単板を積層接着して製品を製造しています。丸太を薄い(4 mm弱)単板に剥くことによる節等の欠点分散、曲げヤング係数による単板選別といったLVLの製造工程の特徴によって、最終製品の曲げヤング係数や曲げ強度(曲げヤング係数と強い正の相関を持つ)のばらつきを抑えることができます。

 次の図と表に、「ヒノキ芯持ち垂木」と「ヒノキLVL(曲げヤング係数の区分:100E)垂木」の曲げ試験結果の比較を示しています。図では水色と黄色の棒グラフが平均値を、黒の縦棒の上端と下端がそれぞれ最大値と最小値を示しています。「芯持ち垂木」に比べ、「LVL垂木」では明らかに最大値と最小値の差が小さいことがわかります。また、表に示した標準偏差と変動係数からも「芯持ち垂木」に比べ「LVL垂木」では曲げ強度試験結果のばらつきが小さいことが明らかです。

参考

構造用木材の強度試験マニュアル作成委員会編、「構造用木材の強度試験マニュアル」、2011、(財)日本住宅・木材技術センター

 

曲げヤング係数と曲げ強さ―ヒノキ垂木強度比較試験―

試験方法:構造用木材強度試験法に準じて実施

項目曲げヤング係数 (GPa)曲げ強さ (MPa)
平均最大最小標準
偏差
変動
係数
平均最大最小標準
偏差
変動
係数
ヒノキ芯持ち垂木9.9612.716.491.580.1665.7479.3645.6310.390.16
ヒノキ100E LVL垂木10.1410.819.500.450.0458.2866.0950.415.160.09

2011年 当社データ

※試験片寸法 60(t)×60(w)×1280(ℓ)(㎜)
※ヒノキ製材品については、無等級材
※試験結果については、含水率による補正を行っていない。また、たわみ量については変位計にて測定